【体験談】公務員試験とは?進学受験との違いを解説

マグカップを前に勉強する姿 タツ研の過去記事

ドーモデス。タツヒコです。

晴れて新年を迎えた高校生・大学生の中には、“公務員”を目指している人も大勢いると思います。

“安定している”、“クビにならない”、“周りの印象が良い”などなど、

公務員を目指す理由は人それぞれですが、公務員になるためには必ず「公務員試験」を突破しなければなりません。

というわけで今回は...

  • 公務員試験ってどんな受験?
  • 筆記の科目はいくつ?どんな問題が出題される?
  • 高校・大学受験と何が違う?
  • 他の就活と併願しても大丈夫?

これらの内容についてお答えしていきます。

なおこの記事は“公務員試験の解説であり、職務としての公務員は扱いません。
あらかじめご留意ください。

公務員試験とは?

国家公務員の倫理審査会会場

公務員試験はその名の通り、公務員としての適性があるかどうかを計る選抜試験です。

民間企業とは異なり、公務員は国や地方自治体から正式な任命を受けた人だけがなれるという規定があり、

マニアックな話になりますが、行政法的には“特許”に該当するものになります。
(ちなみに行政法は筆記試験科目です)

公務員は大きく地方公務員国家公務員の二つに分かれ、そこから総合職・一般職・福祉・技術・公安・行政・専門・心理etc...と幅広い分野がありますが、

特定の資格が条件の資格免許職以外の職種は、基本的に公務員試験を受験する必要があります。

参考:タツヒコの受験歴

プロフィール」を見てくれた方はご存じだと思いますが、

私もかつては公務員を目指して勉強に邁進していた元受験生でした。

大学生1年から直前期の4年の夏ごろまで勉強を続け、実際に裁判所地方の市役所、そして公務員試験では超ド定番特別区を受験しました。

ただ同時に公務員を辞退したい気持ちが生まれていたこともあり、

結果的に裁判所職員の採用試験を受けたのを最後にきれいさっぱり受験を打ち切りました。

...で、結果的にどこを受けて、どこが受かったかと言えば

  • 北九州市役所      → 一次試験不合格
  • 宮崎県職員       → 一次試験不合格
  • 国家公務員(一般職)  → 諸事情により受験辞退
  • 特別区         → 一次試験合格・二次試験辞退
  • 裁判所職員       → 一次試験不合格(そして受験打ち切りに)

といった感じで、実際に合格したのは超ド定番の特別区のみでした。

ザコです。クソザコです。

しかしそれでも約3年半真摯に受験勉強に向き合っていたのは事実でございます。

これから先、私よりも志の高い方が公務員を目指す上で手助けになればと、当時の体験談を元に今回この記事を執筆しています。

最後までお付き合い頂けたらと存じます。

従来の進学受験とはどこが違う?(逆に共通点は?)

?マークを吊り下げている天秤

“受験”と言えば、高校受験大学受験などの進学受験を連想する方がいると思います。
(あとは中学受験とか?)

そういった従来の進学受験と公務員試験は何がどう違うのでしょうか?
逆に共通点はあるのでしょうか?

順を追って見ていきましょう。

筆記科目がめっちゃ多い

皆さんが必死に勉強していたであろう受験生時代を思い返してみてください。

何の科目を勉強したか覚えてますか?

恐らくは国語(現代文・古文)、数学、英語、理科(物理・科学・生物etc)、社会(歴史・地理)の定番の5科目だったと思います。

大学受験は文系・理系で分かれると思うので、そこから選択する3科目程だったと思います。

では公務員試験の筆記は何科目なのか?

結論から述べると、10科目以上です。具体的には下の通りです。

  • 数的処理/数的推理/資料解釈
    →中高の数学に該当。問題数が最も多く、力を入れるべき科目筆頭。
  • 文章理解
    →中高の現代文に該当。難易度は大学受験と同等かそれ以下。
  • 英文読解
    →中高の英語に該当。難易度は大学受験と同等。
  • 憲法
    →日本国憲法に関する判例や合憲・違憲などについて問われる。
  • 民法
    →民法に関する判例が問われる。個人的に一番厄介な科目。
  • 政治学
    →政治に関わった過去の偉人の業績や活動について問われる科目。
  • 行政法
    →行政活動に関する判例が問われる。民法よりも比較的楽。
  • 行政学
    →行政に関する知識が問われる。行政法と被る箇所がある。
  • 社会学
    →社会自体を問われる科目。行政・政治学と被る箇所がある。
  • 経済学
    →経済活動や経済史などが問われる。マクロミクロ二種類が存在。
  • 経営学
    →経営に関する歴史や理論が問われる。経済学とセットになる場合も。
  • 財政学
    →財政理論や財政活動などが問われる。
  • 自然科学
    →化学・物理・生物といった理科系の科目。
  • 人文科学
    →日本史・世界史といった史学系の科目。
  • 社会科学
    →社会学・社会法・政治学が合体した感じの科目。
  • 会計学
    →損益や財務について問われる科目。主に国税専門官試験で出題。
  • 時事
    →その年の時事について問われる。唯一過去問が通用しない科目。

「...え?多くね?」お察しの通り、メッチャ多いです。

この中でも法律系(憲法・民法)、行政系(行政学・政治学)、経済系の科目を専門科目
それ以外の数的処理や文章理解、自然科学や社会科学などの科目を教養科目と分類し、

それぞれ別々に時間を設けてテストすることが通例です。

ただどう転んでも全科目を網羅するのは非効率すぎるので、捨て科目を選択して的を絞るのが公務員試験のセオリーになっています。

捨て科目を考慮したうえで10科目以上というわけです。(それでも多い...)

一応地方と国家で科目が少し分かれることがありますが、大体同数だと思っていいでしょう。

異なる形態の試験を二つ以上受ける(筆記+面接)

筆記試験の時点で「うげぇ...(-_-;)」となった方もいるかと思いますが、現実はさらに過酷です。

公務員試験には必ず面接試験(人物試験)というものも付いてきております。

面接はお好きですか?私は大ッ嫌いです(笑)

しかもこれが1回だけで済むのではなく、面接試験だけで2,3回繰り返すことがあります。
(市役所だと最悪4,5回やることもある)

国家公務員志望だと、全ての試験を超えた末に“官庁訪問”というラスボスが待っています。

形式もオーソドックスな個人面接だけではなく、集団討論グループディスカッションが実施されています。(どちらかと言えば後者が多い傾向)

人によっては筆記試験以上に地獄を味わうハメになると思います。

論文試験がある

筆記試験の最後には、各志望先のテーマに沿った論文試験を受けることが多いです。

高校・大学の受験でも小論文を書かされた人はいるかと思いますが、流れは大体同じです。

課題解決やデータ分析などの形式で、自分の意見を明確な根拠と共に書くというものになります。

唯一違いがあるとすれば、「公務員」として適切な意見を述べられるかがカギになります。

自分がもし将来的に公務員として働くことになった場合、どういった政策やキャンペーンを実施すべきかが試験の時点で問われることになります。

故に机上の空論ではなく、より現実的な内容が求められることになるでしょう。

タダで受験できる

ここで嬉しいニュースが一つあります。

高校・大学入試では志望先一つ一つに対して受験料を支払う必要がありましたが、
実はこの公務員試験、何と職種・回数関係なくタダで受験できちゃいます。

「ナンデ!?タダナンデ!?」と思いますよね。

というのも先述した通り、公務員試験は公務員の適性を計るための選抜試験であって、特定の資格を得る資格試験ではないからです。

ただし交通費に関しては自費になります。この辺りは進学受験と同じですね。

試験期間がメチャクチャ長い

民間企業の就活とは別に実施される公務員試験ですが、その実施期間はかなり長め。

一般的に国家公務員4月の春ごろから夏まで地方公務員春の終わりから秋までがピークとなっています。

先に筆記試験が実施され、その後に面接試験が続くのですが...

直後に実施されるということは稀で、大体1ヶ月から2ヶ月ほど期間が開きます。

さらに試験の方式によっては国家公務員でも秋や冬に試験が行われることがあります。

市役所は年明けの1月から受付を始めているところもあり、複数受験するのであれば日程管理は必至です。

志望先と合格状況次第では丸1年試験に時間を費やすことになるかも...?

試験時間も長め(基本全日)

それから公務員試験は試験時間自体も長めです。

例えば特別区の筆記試験の場合。
教養科目試験専門科目試験教養論文の3セクションに分かれていますが、

教養科目が90分(1.5時間)、専門科目が120分(2時間)、教養論文が60分(1時間)になり、

これを朝から夕方に掛けて全日で実施されます。(お昼は持参)

SPI形式やWEB形式なら半日で済むこともありますが...まぁゴッソリ体力を持ってかれます(-_-;)

連日の試験は避けたほうが無難でしょう。

受験会場は大学orテストセンター

大学受験の際に受験希望の大学キャンパスやビルなどの試験会場に足を運んだかと思いますが、

公務員試験も基本的に同じです。
筆記試験は主に大学のキャンパスか“テストセンター”と呼ばれる専用の施設で受けることになります。

ちなみに私は特別区の一次試験を受けるために、渋谷区内にある青学のキャンパスに入ったことがあります。

道広くてチャペルきれいだった。

服装は私服➡就活スーツの流れ

試験会場に向かうにあたって、服装について気になる方もいると思います。

こちらも過去の受験や就活と基本同じです。
筆記試験の際は目立ち過ぎない私服で、面接試験の際はスーツを着ていくことになります。

受験生の中には願掛けなのか、筆記試験からスーツを着てパリッとキメてくる方もいます。

どちらにするかは皆さん次第です。(私は終始私服で挑みました)

就活との関連性

紺色のスーツとネクタイと腕時計を着用している男性

就活を控えた大学生の中には、

「民間志望だけど公務員も受けて大丈夫?」「併願先に何か言われたりしない?」

と心配される方もいるかと思います。こちらもザックリと見ていきましょう。

併願は十分可能

まず公務員と民間企業との併願は可能です。

公務員試験を受ける上で、併願を禁止するルールなどは特に定まっていないからです。

「公務員志望だから他の所に応募するのはダメ!!」とはなりませんのでご安心を。

ただし、後述のエントリーシートや履歴書に他の併願先を書く欄が設けられていることがあります。

面接では提出した書類から質問されることが定番ですので、その際にツッコミが入る可能性は考えられます。

「なんでウチを併願にしたの?」と聞かれた際に、
堂々と「こうだからです!」と答えられるようにするのが無難でしょう。

エントリーシートや履歴書も提出する

先述の通り、公務員試験を受験する際には必ずエントリーシート履歴書を提出する必要があります。

民間企業の場合と同じく資格の有無や志望した理由の説明、軽めの作文のようなものを書かされることもあります。

そして忘れてはならないのが、提出期限の存在。

住んでいる地域から大きく離れた役所に書類を送る場合、期限日より2,3日早めに送付したほうが良いです。

締切ギリギリになって提出するクセがある人もいると思いますが、志望先によっては「消印有効」ではなく「必着」のパターンもあります。

書類が期日内に届かなかった場合は受験できないので、早め早めに動くように意識したほうが良いでしょう。

スケジュール・体調管理に要注意

併願する際も、書類を提出する際の両方に共通するのがスケジュール管理

先述の通り、公務員試験は民間企業の就活と同じ時期に採用を行います。

なので当然ですが、試験日が被ればどちらかは諦めなければなりません。

そして公務員試験は丸一日拘束されるために、試験後に疲れがドッと来ます。

民間の就活も入れようとしている人は他の志望先に悪影響が出ないように、スケジュールをよく確認して、

できる事なら連日受験するのは控えた方が良いです。

その他、Q&A

木製の?マーク

その他、公務員試験で気になるであろう条項をQ&A方式でまとめてみました。

いつ頃から勉強すべき?

早くても大学2年生から、遅くても大学3年生の4月から始めるのが理想です。

私は1年生の段階で大学が開いていた対策講座に出席していたこともあり、1年生の春から筆記対策を行っていましたが、

正直言いますと試験勉強のマンネリが否めません。早すぎるのも考えものということですね。

塾(予備校)には行くべき?

勉強に集中したい環境が自分で用意できなさそうであれば(あるいは自主的に勉強しなさそうなら)、予備校に入るのもアリです。

ただ独学では試験に受からないということはなく、受かる人は独学でも受かります。

というのも筆記試験の対策は各科目の問題演習&暗記しかないからです。

予備校と独学の最大の違いは環境が用意されているか否かです。入れば必ず合格できるという保証はありません。(当然ですが)

面接試験に関しては、予備校が適宜練習の機会を設けていますが、ハローワークなどの国の機関も模擬面接を実施しています。

もし独学で試験対策をしたいならば、主体的に勉強や情報収集を行い、計画的に行動することを心掛けましょう。

力を入れるべき科目は?

筆記科目で触れた通り、数的系の科目が最優先です。

なぜなら問題数がどの形式・志望先のテストでも多く設定されているので得点源になるからです。

私が思うに、筆記試験の合格/不合格の差はこの科目で現れているのかと思います。

後は経済系の科目と憲法・民法・行政法などの法律系の科目ですね。

こちらも数的ほどではないにせよ、得点が大きく配分されている科目になります。

試験を申し込む際の注意事項は?

先述の通り、書類の締め切りをキッチリ守ること。

書類に不備が無いよう念入りにチェックをすることですね。

先ほどは触れませんでしたが、最近はインターネットを使った申し込みが主流になっており、その際に“事前登録”の名目で予約を取る場合があります。

「事前登録を忘れて本登録が間に合わなかった...」

なんて事態もあり得るので、志望先のHPは適宜確認するようにしましょう。

ぶっちゃけ試験は難しい?

ハイ、難しいです。

公務員試験の合格率は約2割から4割程度で、過半数以上が不合格になっています。

筆記試験の時点で既にとてつもない量の科目が出される上、面接試験も練習なしでは到底突破出来ません。

そもそも公務員試験は筆記も面接も、受からせる試験ではなく、落とすための試験になっています。運やツキには頼れません。

また公務員は未だ人気の職業ということもあり、毎年数え切れないほど志望者が集まります。

ライバルよりも遅れを取れば取るほど、合格が厳しくなります。

まとめ

いかがでしょうか。

公務員試験は今までの進学受験よりもやるべきことが多く、私的には人生で一番苦労した受験でした。

単純に勉強すればいい訳でもなく、情報収集や書類の適切な書き方、

面接時にしっかりと受け答えが出来るよう、公務員という職業の性質も考慮する必要があるわけです。

(結局面接一回も受けなかったケド...)

この記事はほんの基礎的な内容ですが、他のブロガーの方で本格的な対策記事を公開している方もいます。

是非とも自主的に検索して、対策案を練って頂けたらと思います。

今回はここまで、オタッシャデー!

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